ポルシェ・カレラGT(Type-980)

今回はポルシェ・カレラGT(Type-980)をご紹介致します。

ポルシェの中でも特にスペシャルなポルシェの一台として名高いのが、このカレラGT(Type-980)。
パッと一目見ただけでも「凄いクルマだ」と分かるエキゾチックなスタイリングを持つのもカレラGTの魅力である。
カレラGTは2003年に発表されたクルマだが、もう20年が経過したとは思えない現代でも通ずるモダンなデザイン。

そんなエキゾチックなデザインが包むメカニズムもエンジニアリング面に重きを置いて考えるポルシェらしい造りで、
エンジンは5.7Lで68°のバンク角を持つV型10気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載している。
元々このエンジンはル・マン24時間レースに参戦する車両に搭載されるコンペティションユース用として開発されたものだが、
FIAのレギュレーション変更により白紙化が余儀なくされ、多大な開発コストを償却する行き場として、
ストリートカーに搭載して限定車としてリリースすることになった。そこで白羽の矢が立ったのがこのカレラGTだったのだ。

そしてこの5.7L V型10気筒エンジン開発の設計を担当したのは96年よりポルシェに移籍してきたエンジニアの、
ベルント・ラムラー氏である。彼はポルシェ移籍前はメルセデス・ベンツでエンジンの設計をしていたエンジニアである。
メルセデス・ベンツのDTMのレーシングエンジンの設計を担当していたり、2003年にはポルシェを退社し、
AMGへ移籍、W204等のC63に搭載されている6.2L V型8気筒DOHCのM156型エンジンも彼の設計によるもの。

カレラGTに話を戻すと、開発当初もといル・マン用に開発されていた時期は排気量は5.5Lであったが、
実用トルクの確保とストリートユースでの扱いやすさを重視して200ccの排気量アップにより5.7Lとされた。

そしてカレラGTのV型10気筒エンジンの肝心なスペックは馬力が612ps/8,250rpm、トルクは60.2kgm/5,750rpm。
エンジン特性もレーシングカー由来の自然吸気エンジンらしく必要な時に必要な馬力とトルクを瞬時に使えるレスポンスの良さ。
このハイパワーを過給機なしで実現するばかりか、3ペダルマニュアルトランスミッションで路面に伝えている。

エンツォ・フェラーリやメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンなど同時期のスーパーカーはとにかく、
3ペダルMTから2ペダルセミATにシフトしてイージードライブ化をすることでスピードアップを図っている中で、
カレラGTは敢えて古典的な3ペダルマニュアルトランスミッションとし、媚びを売らないひと際硬派なクルマとなったのだ。

3ペダルマニュアルトランスミッションということでカレラGTのクラッチは「重い」、「シビア」、「難しい」などと、
語られることが多いことで有名だが、確かにクラッチが繋がる場所が分かりにくく重いものの一度繋がる場所が理解できれば、
十二分にあるトルクのおかげで全くアクセルを煽ることなくアイドリングだけで進めることができる。
カレラGTのクラッチは新開発のカーボンセラミック製のもので超軽量かつ非常にコンパクトなものとなっており、
クラッチ板の直系は16.9cm、重量は従来品の1/10、寿命は上手にクラッチを使えば車両の寿命が無くなるまで使える。
そんなクラッチにも慣れてしまえば非常に優れたものなのだ。当然クラッチが超軽量かつコンパクト、ということは、
エンジンに関係する関係物は小型&軽量ということはマスの軽減に繋がり、そこでも鋭いエンジンのレスポンスに繋がっている。

そんなエンジンが載せられる車体の重量はエンジン込みで1,380kg(!!!)とV型10気筒エンジンが、
搭載されていることを考えると超軽量なボディに仕上がっている。
というのもこれはカーボン製のバスタブ形状モノコックシャーシとすることで実現できたものだ。
エンジン本体をカーボン製シャーシのストレスメンバーとしボディ剛性を確保することでボディ外板に応力は掛けず、
タルガトップ形状のオープンボディでも高剛性を成立させているのもカレラGTのハイライト。

カレラGTの開発コードはType-980。つまりはこの事柄はボクスターやケイマンのルーツとなっているを示す。
なぜなら初代ボクスター~718ボクスター/ケイマンまでの開発コードは順にType-986、Type-987、Type-981、Type-982と、
Type-98x番台の開発コードを持つクルマは全てミッドシップレイアウトで尚且つカレラGTから始まっているのである。

カレラGTは1500台限定と銘打たれてリリースされたが、最終的な総生産台数は1270台。
リリース時は今ほど人気が無かった為、予定を下回る1270台の製造で終えてしまったが、
皮肉なことに今となってはカレラGTは誰も彼もが振り向くもはや伝説的なクルマの一台となったのだ。

今回はもうペイントプロテクションフィルムではお馴染みのパッケージである、
フロントフルセット(フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネット、ドアミラー、ヘッドライト)での、
アルティメットプラスの施工をご依頼頂きました。

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