今回はフェラーリ・296GTSアセットフィオラノ(F171KCA)をご紹介致します。
V6エンジンを搭載したことから「現代版ディーノ246」との触れ込みの下に発表された296GTB/GTS(F171KAA/KCA)。
車名の「296」という車名の数字はフェラーリ社伝統の命名方法である排気量や出力とエンジン気筒数の数字を組み合わせるという規則に則り排気量の2992cc(29)とV6(6)エンジンというところから「296」となったものである。
またフェラーリ社としては296GTB/GTSはSF90ストラダーレに次いで2台目のプラグインハイブリッドの車両となった。
V6エンジンを搭載するのはディーノ206/246以来だが車体のデザイン自体はディーノ206/246ではなく、もはやフェラーリ伝説の一部として語り継がれる「250LM」のデザインをオマージュのモチーフとしたもの。よって実質的には現代版ディーノというよりも現代版250LMと言う方が相応しいであろう。
そして「296GTB/GTS」に搭載されるエンジンはV型6気筒ツインターボ・2992ccの排気量を持つ、Tipo F163CB型エンジン。
このエンジンはストラダーレ(公道走行可能な市販車)である「296GTB/GTS」だけではなく、コンペティツィオーネ(サーキット専用車)の「296GT3」や「296チャレンジ」には、仕様違いとなるTipo F163CE型が搭載され、更に言えば2023年のル・マン24時間耐久レースで優勝した、フェラーリのプロトタイプレーシングカーの「499P」にも同エンジンの仕様が異なるものが搭載されている。つまりコンペティションユースにも耐えうるハイスペックさと耐久性を兼ね備えたエンジンであるということは明白だろう。
エンジンのスペックは663馬力/8,000rpm、75.5kg・m/6,250rpmにプラグインハイブリッドによって電気モーターのアシストが加わることで合計830馬力(/8,000rpm)の高出力を誇る。これによって最高速度は330km/h、100km/hまでの加速は2.9秒という瞬足を誇る。また組み合わされているターボチャージャーはIHI製のものを二基装備、左右のエンジンバンクに一基ずつ配置され、
左右でタービンブレードが逆回転するモノスクロールタイプとなっている。
一般的にV型エンジンは60°もしくは90°のバンク角で設計されることが多いが、これは車体に搭載した時のエンジンルーム内に於けるスペースの関係上、バンク角を90°以上広く取ってしまうとエンジン本体の幅が広くなりすぎてしまい、エンジンルーム内に収めるのが困難になってしまうので90°にバンク角を設定されることが多い中で296GTB/GTSのTipo F163CB型エンジンではV型6気筒エンジンの理想的なバンク角である120°としたもの。120°のバンク角に設定するメリットとして、6つある各シリンダーで燃焼が順次行われた際に慣性力や慣性モーメントが反対同士で打ち消されることで調和がとれ、振動やフリクションが発生しにくく、滑らかな吹き上がりを持つエンジン特性とすることができるからだ。また副作用的な要素として、エンジン本体の高さを低く抑えることができ、低重心化の一部を担っているだけでなく、エンジン長を短くすることもできるので車体全体のマスの集中化を図っているのも特徴だ。
加えてフェラーリのクルマは代々、エンジン音の良さを魅力のひとつとして挙げられることが多く、
尚且つフェラーリのV型12気筒エンジンは澄んだ甲高い排気音を放つことで名高くさながら楽器と例える人も多い。
V型6気筒エンジンは一般的なイメージでは「音質の良さが何ぞや」と多くを語られることはないが、
120°のバンク角に設定したことにより点火順を左右対称にでき、エキゾーストマニホールドを等長にしたことで、
Tipo F163CB型エンジンはフェラーリ社内で「ピッコロV12」、つまり「小さなV12」との愛称で呼ばれるほどの、
V型12気筒と勘違いしてしまうようか官能的で甲高い排気音となっている。
またこの個体ではセットオプションとなる「アセットフィオラノ」という名称がついたパッケージが装着されており、
フロントバンパーにはベース車にはないダウンフォースを増加させることができるカーボン製パーツが追加、
よりサーキット走行を意識した減衰設定となったアジャスタブル・マルチマチック・ショックアブソーバー、
軽量パーツとの差し替えとミシュラン製パイロット・スポーツ カップ2Rタイヤの装着など走りの面での純度を高めたスペック。また外観では「マラネロコンセッショネアーズ」という過去のフェラーリのレーシングカーをオマージュとした、
塗り分けがされたペイントオプションが選択できるがこちらはアセットフィオラノのみが選べる特別なオプションとなっている。
使用したペイントプロテクションフィルムはもはやXPELの看板商品のひとつであるアルティメットプラス。
これをXPELが誇る高精度なデータカットシステム、Design Access Program<DAP>によりおクルマの形状に合わせて裁断、
ペイントプロテクションフィルムの施工に熟練した施工スタッフが一か所一か所丁寧に施工作業を行っています。
走りを楽しみたいクルマにはXPELのペイントプロテクションフィルムはマストアイテムだと思います。
大切なクルマを傷から守りつつも、クルマの本質である走りを楽しむ人にこそ選んで頂きたい逸品です。