アメリカでは、新車を購入したら『クリアノーズブラ』を貼るという文化があります。クリアノーズブラとは、フロントマスクに施工するペイントプロテクションフィルム(PPF)です。日本とは異なり、長距離移動が当たり前で、道路環境も異なるアメリカでは、飛び石によってボディにダメージを受けることが日常的です。そして、飛び石によるダメージは、ボディコーティングでは防げず、ペイントプロテクションフィルムが欠かせないものになっています。
軍事から民間、そして自動車へ——。
もともとペイントプロテクションフィルムは、ヘリコプターのローターやキャノピーなどを保護する軍事用として開発され、それが民生用に発展した歴史を持ちます。紫外線や酸性雨、飛び石などによるキズからボディの塗装面を保護し、いつまでも変わらない美観を維持するために一般化しました。そんなペイントプロテクションフィルムを牽引するのがアメリカのXPEL,INC社です。
XPEL,INC社は、2011年に世界初となる自己修復機能を持ったペイントプロテクションフィルム『ULTIMATEシリーズ』を発表。軽度のキズや虫害、鳥の糞、花粉、黄砂、雨染みなどからオリジナルの塗装面を保護するだけではなく、気づかないうちに発生してしまう洗車キズ、そのほか飛び石などによるダメージをフィルム自身が修復するという革新的な技術を付与し、ペイントプロテクションフィルム(PPF)の新時代を創りました。
メーカー純正採用されるように——。
ペイントプロテクションフィルムの世界市場は、2017年まで年平均5.10%で成長すると予測されています(2021年10月10日発表、レポートオーシャン調べ)。実際に1996年に設立したXPEL,INC社は、創業当時、従業員数20人に満たない小さなベンチャー企業でしたが、右肩上がり成長し、2019年にはナスダックへ上場。現在は世界6カ国に事業拠点を置き、従業員は700名を超える企業となっています。
その高い性能からポルシェやマクラーレン、一部のアストンマーティンといった貴重なモデルでは、メーカーの工場ライン内でXPEL,INC社製ペイントプロテクションフィルムが施工され、ユーザーのもとに届けられています。そのほか、ランドローバー・ディフェンダーなどでは純正オプションとしてXPELペイントプロテクションフィルムが設定され、日本でも一部のレクサスディーラーでオプション装備として採用されています。
ペイントプロテクションフィルムを日本の文化に——。
XPEL JAPANは、そんなアメリカ発祥のペイントプロテクションフィルムという文化を日本に広める活動をしています。日本では、新車購入と同時にボディコーティング施工が当たり前になっていますが、欧米ではペイントプロテクションフィルムの施工が一般的です。北米のあるカーディーラーでは、「月50台以上にペイントプロテクションフィルムを施工し、納車している」という話も聞きました。日本でも高級輸入車・スーパーカーを中心にペイントプロテクションフィルムが広まり、2022年時点で約15万セットの販売・施工を行っています。
アメリカやヨーロッパのように日本でもペイントプロテクションフィルムを文化に、すべての自動車愛好家たちのクルマの美観を守り、オリジナルのボディカラーをいつまでも保存する。それが私たちに課せられた使命です。